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新潟の酒は新潟でしかできない
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インタビュー・鈴木恒夫氏
[八海醸造株式会社常務取締役、前新潟県醸造試験場長]

新潟の酒つくりの特徴を一言でいうなら『真面目造り』です。たとえば、新潟の酒の精米歩合の平均は62%(平成8年酒造年度)。全国平均は67-8%ですから、新潟のほうが精米歩合ははるかに高い。つまり、それだけ米を磨いているのです。もちろん、他のところの酒も、年々、精米歩合を上げてきてはいますが、新潟は常にその先を行っていますから、精米歩合の差はこの10年、縮まっていません。
新潟の酒造りの根っこには、どこにも負けない良い酒をつくりたいという強い思いがあるのです。精米歩合をあげれば、糠(ぬか)になってしまう部分も多くなりますし、酒造りの難しさも増しますが、新潟の酒蔵は、それでも、あえて全国平均を越えるペースで精米歩合を上げながら、手間をかけ、時間をかけ、知恵を傾けて、良い酒を追い求めてきたのです。 酒とひとくちに言っても、普通酒と特定名称酒がありますが、新潟の酒のもうひとつの特徴として、特定名称の酒が非常に多い。普通酒はコストの関係から糖類を使用したり、アルコールを多めに添加した酒で、特定名称の酒というのは品質本位の造りで、純米酒、本醸造酒、吟醸酒などと呼ばれている酒です。
全国で生産される酒は、まだ普通酒が圧倒的に多くて75%、特定名称の酒は25%といったところです。ところが新潟の酒は、特定名称の酒が50%(平成8年度調査)にも達しているのです。なぜでしょうか。できるだけ良い酒をつくりたいからです。
そんな『真面目造り』の心が消費者にも通じたのか、新潟の酒の生産量は今では灘、伏見に次いで、全国で三番目になっています。一昔前の新潟の酒を思うと、まったく夢のようですよ。
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水っぽい酒を技術で改良

新潟は米どころとしては昔から知られていますが、実は、酒造りにむいた土地ではないと思われていたのです。昔の新潟の水田は水はけが悪いところが多く、また、収穫期に雨が多く、そこからとれる米も水分が多かった。このため、貯蔵してもカビやすくて、味もよくなかった。だから、鳥も敬遠するということで、鳥またぎ米などと悪口を言われたものです。
水にも問題がありました。新潟の水は地質などが原因で軟水なのです。ところが、酒造りの技術が未熟だった昔は、硬水のほうが酒造りに向いていると思われていました。名高い灘の宮水も硬水です。硬水はミネラル分の含有量が多く、そのミネラル分が酒造りの鍵となる微生物の栄養となり、微生物の活動が活発になります。
冬が早く来て、春が来るのは遅いという新潟の気候も、一昔前の酒造りの技術ではマイナスの条件でしかありませんでした。お酒の発酵には、醪(もろみ)の温度は15-16度ぐらいあったほうがいいのですが、酒造りの最盛期の冬、新潟ではそんな高い温度を維持するのは困難でした。
このため、新潟の酒は、かつては金魚酒などと言われたものです。金魚が泳げるほど水っぽい酒というわけです。しかし、そんな悪条件をはねのけて、逆に、強みに変えてきたのが新潟の酒造りの歴史だったのです。
まず、米の栽培技術の進歩や田んぼの改良などによって、米の質が大きく向上しました。さらに良い酒米をたくさん使い、精白歩合もあげました。また、新潟の軟水のよさが生きる発酵法も見つけました。それが長期低温発酵です。
寒くて思うように醪の温度が上がらないため、日数をかけて発酵させる長期低温発酵にせざるを得なかったということもありましたが、これが淡麗な味わいのある酒を造るにはうってつけの作り方だったのです。しかも、軟水で酒をつくると女酒(おんなさけ)と言われるやさしい味の酒になります。それが新潟の酒は水っぽいといわれた理由でもありました。
しかし、軟水を使って、長期低温発酵で酒を造ると、水っぽさが消えて、逆に味にふくらみがあり、しかも、味がきれいで、呑み飽きがしない淡麗辛口の酒ができやすいのです。新潟の軟水の良さを引き出し、また、長期低温発酵を持続させることのできる蒸米(むしまい)造りと麹造りの工夫改良を進める。新潟の酒はそこに自分の進む道を見つけたのでした。
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新潟の酒は新潟でしかできない

淡麗な酒は日本料理に合うだけでなく、肉や油を使うことが多い現代の料理にもよく合います。真面目造りで酒の質がいいし、料理にも合う、新潟の酒なら間違いがないということで、急速に消費者のみなさんの高い評価を獲得していくことになったのです。
今では酒造りの技術も進歩して、バイオ技術で次々に新しい酵母が開発されたり、コンピュータで温度管理も正確に行えるようになりました。軟水も硬水も水処理技術を使えば、かなり自由に調節できます。しかし、それでも、新潟の酒は今も新潟でしかできないのです。新潟の酒を造っているのは、すぐれた技術を持った越後杜氏といわれる人々ですが、技術の他に新潟県産の良質な原料米なども、大きく貢献しているからです。
本物の酒造りには、まだまだ機械化、コンピュータ化できないところが残っています。しかも、それができないところこそ、酒造りの鍵となる部分なのです。これからも当分の間、新潟の酒は新潟でしかできないでしょう。良い酒を造りたいと思い、それを愚直なほどにやりとおす酒蔵、それに加えて新潟の米、水、雪、風、土地。それが新潟の酒を支えてきたのです。また、それが日本酒の特徴でもあります。それぞれの土地の味と匂い、そして、そこに暮らす人々の思いがこめられた酒。それこそが日本酒なのです。

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インタビュアー・井出耕也[インターネット・パイロット]
写真:ビデオ「魚沼の酒造り-酒蔵の四季」より +
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日本酒の製造工程
八海醸造株式会社、鈴木恒夫技術・研究部長による、日本酒製造工程の解説です。 酒造りをもう一歩詳しく知りたい方のために。

 

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