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2000/4月
 
 
 

 4月上旬、記念大吟醸の造りが終わりました。今回は、大吟醸造りを総括して、南雲重光製造部次長に話を聞きました。
 4月7日、記念大吟醸の最後の火入れが終わりました。火入れというのは63℃前後に加熱した原酒をタンクに入れ、急冷してから貯蔵の眠りに入ることを言 います。この操作を行うことには非常に重要な意味が2つあります。1つ目は発酵の段階で主要な働きをしてくれた糖化酵素類や清酒酵母の活動を停止させるこ と。2つ目は日本酒にのみ繁殖可能な火落ち菌を殺菌することで酒の品質向上と安全管理を保証することです。今まで大切に造られてきた酒だからこそ、ここで の失敗は許されません。担当の今井課長も、「火入れは製造の最終段階で、しかも重要な工程なので温度の管理には細心の注意を払っています」と言います。

 これでやっと大吟醸の季節が終わり、昨年の暮れから八海醸造の蔵人全員が全力で取り組み、醸し出した酒が、貯蔵に入ります。これから約1年、低温管理さ れた特別な貯蔵庫の中でゆっくりと熟成していきます。暗く静かな貯蔵庫の中で、酒はどう変わっていくのでしょうか。

 


 さて、「八海山の酒造りは、すべてこの大吟醸を基本においている」ということは、今まで何度もお伝えしてきました。大吟醸という最高の酒を造る技術を蔵 人全ての共有財産にすることで、蔵の全ての酒の品質を最高のものに近づけることができる、というのが八海醸造の基本理念です。今年も又、大吟醸の造りを通 じて、多くの若い蔵人が育っていきました。
 現場の最高責任者(昔で言えば杜氏)である南雲重光次長は、今年の大吟醸造りを次のように語っています。
「酒造りに携わる一人ひとりが高い技術を持っていることは非常に大切です。でも、それらはきちんとした一本の方向性を持っていないとばらばらになってしまいます。大吟醸というお酒は、そうした造りの大きな柱としてあるわけです」
「八海醸造は70年以上、お酒を造ってきました。その間、様々な技術の蓄積があり、常に最高の酒造りを目指し続けてきました。この蔵で何十年も酒造りに関わってきた我々が、我々の最高の酒を造るんだ、という意識をもって、毎年初心に戻って取り組んでいます」
 お酒を造る技術は、長い間、基本的には変わらずにきました。しかし、より高い精度の技術を磨くことで、酒そのものをより良いものにしてきたのです。そう した中で私たちが培ってきた技術が、これからの八海山のお酒の中にどう生かされていくのかが重要になってきます。いうなれば、大吟醸を引き継ぐ存在が大切 なのです。ややもすれば、一部の熟練した蔵人による作業で造られてきた大吟醸の現場に、ここ数年、若い蔵人が積極的に関わり始めています。南雲次長は、こ んなエピソードを話してくれました。
「放冷という作業があるのですが、これは仕込み前の蒸し米の水分や温度を調整する、とても繊細で経験の必要な作業です。ある若手の蔵人がその仕事を志願し てきました。彼はベテランの蔵人につきっきりでその技術を学んでいました。誰かに言われたわけではなく自分の意志で大吟醸を造る技術を自分のものにした い、と思ったんです。これはうれしかったですね。八海山という酒の中心にあるのは大吟醸です。その方向性を守りながら技術を高めていくことが肝心です。そ うすることで、八海山という酒そのものが大きく成長していく。それはまた、蔵人一人ひとりが技術者として成長することにつながると確信しています」
「点数で評価はできませんが、今年の造りはかなり高水準にあったと思っています。最も大きな成果は、若い蔵人の意識が高まってきたことです。今年の大吟醸造りで、ある一線を越えたな、という蔵人が沢山いるように思えます」

 

 


 「一番大きな成果は、若手の成長」という言葉に、今の八海醸造が目指している酒造りの原点が見えてきます。大吟醸は、酒を造るばかりではなく人を造るのだ、ということをしみじみと感じさせる一言でした。
 さらに、南雲次長は、全ての大吟醸の造りが終わった今の心境をこう語りました。
「今まで、大吟醸酒というのは、一般の消費者に呑んでいただく、ということを前提にして造られていませんでした。もちろん、この酒をベースに、同じ考え 方、同じ技術で造られた酒がいわゆる八海山の酒であり、それを広く呑んでいただいているわけです。今回、大吟醸酒を21世紀に向けての八海醸造の姿勢とし て皆さんにお届けすることになりましたが、我々が持つ最高の技術と情熱が結集した酒だから、『さあどうぞ』とか『絶対に良いはずです』とか言いたくないん です。お酒ですから、ゆっくりと楽しんで呑んでいただきたい。そう思いますね」
 八海醸造の歴史の中で、この大吟醸を造り続けることで、どれだけの若い蔵人が育っていったのか――。2001年4月、皆さんのお手元に届いたお酒を、そのような思いをめぐらせながらお飲みいただくのも、一興かもしれません。

 

文・中島太一 写真・安宅康二

 

 

1.酒になる米「山田錦」の故郷を訪ねて
2.八海山最高の酒造りを求めて
3.大吟醸を仕込む【1】原料処理からもと造り
4.大吟醸を仕込む【2】三段仕込み、もろみ、上槽

 

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