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1999/12月
 
 
 

八海山の2001年記念ボトルが作られることになり、その原料米として最高級の山田錦が使用される。その山田錦の産地を訪ねた。場所は、兵庫県三木市。古くから備前米の産地として名高い地方である。
 山田錦は昭和11年に兵庫県の農業試験場で開発されて以来、全国の酒蔵からもっとも高い評価を受けている酒米だ。その中でもこの三木市でできる米は、粒 型の大きさ、心白の見事さといった酒米の持つすべての条件を満たした山田錦の最高峰といわれている。市内の田園地帯を通る国道端には「酒米の王者 山田錦 の故郷」という大きな看板がいくつも見かける。いかに、この地域の人たちがこの酒米を誇りに思っているのかがわかる。

 

この日は、秋晴れである。澄み切った秋の空がどこまでも続いていた。その下を三木市東農協の鷲尾さんから、山田錦の田んぼに案内していただく。「一番いい やつがとれるところを、案内しますよ」といわれてついていくと、車は国道を離れ山道を入っていく。最初に案内された場所は、山の南向きの斜面の途中で見晴 らしが良い田んぼだった。目の前に、盆地全体が広がる。一面、金色の稲穂の海だ。
さらに奥に入っていく。小高い峰に囲まれた狭隘な土地に広がる小さな田んぼだ。いわゆる棚田になっている。よい米がとれる場所というのは、陽当たりが良く て風がよく通り、粘土質で水はけのよい場所だという。つまり、海から離れた山の中の棚田がよい。こういう場所は、昼夜の温度差が大きく、もともと物成りが 良い、と言われる場所なのだ。田んぼを覗くと、真っ黒でいかにも力強い粘土質の土だ。そこから地中深く根を張った茎が伸び、山田錦の重い穂をしっかりと支 えている。今年は全国的に気温が高すぎて、米の作柄は必ずしも最高とは言えない、と聞いていたが、ここの稲はその心配はなさそうだ。見事な稲穂がたれてい た。

 

米の品質は酒の出来具合に影響を与える。蔵人の技術とよい原料米がマッチしてこそ最高の酒ができる。全国の酒の品評会の上位にランクされる銘柄のほとんどが、優秀な酒造好適米を使っている。また酒米の種類によって、それぞれの酒の持つ個性も決まる。
 新潟の酒はすっきりとした飲み口で、それでいて芳純かつさわやかな後味が残る、いわゆる淡麗辛口だと言われている。そこに山田錦を使うと、芳純さが増し 味わいが深くなる。そして、うちの酒、八海山は一貫してその品質を追及してきた。今回、21世紀を記念した特別の酒造りに挑むに当り、山田錦、それも最高 の品質を持つこの地域の山田錦はどうしても欲しかった米だ。

この地域の山田錦が特に高い評価を受けているのは、適地に恵まれたうえに、戦後の食料難の時代から一貫して続けられてきたよい酒米を作るための地域を上げ ての取組みがある。もともと関西方面の酒米の供給地としての歴史をもつ風土があり、その上、生産組合を結成し県や国の研究機関とも共同して米の品質向上に 取り組んできた。その取組みの結果が今日の高い評価につながっている。
 稲を刈り取る農家の方にあった。「これ、みんな、山田錦ですか」と聞くと、農作業で真っ黒になった顔をほころばせて、「そう、これみーんな、ニシキ、だ。これ、みーんな、うちの山田錦だ」と答えられた。
 今年は、この米を使ってうちの蔵でとっておきの酒を仕込むのだ、という感慨が沸いた。よい酒米を使用すると健全な酒母がとれ、よい麹ができ、芳純かつ秋 晴れのようにすっきりとすんだ酒に仕上がるという。兵庫の三木盆地に広がる秋晴れの空の下、いかにもうまい酒になりそうな山田錦に出会えた。

文・中島太一

 

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