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この日は、秋晴れである。澄み切った秋の空がどこまでも続いていた。その下を三木市東農協の鷲尾さんから、山田錦の田んぼに案内していただく。「一番いいやつがとれるところを、案内しますよ」といわれてついていくと、車は国道を離れ山道を入っていく。最初に案内された場所は、山の南向きの斜面の途中で見晴らしが良い田んぼだった。目の前に、盆地全体が広がる。一面、金色の稲穂の海だ。
さらに奥に入っていく。小高い峰に囲まれた狭隘な土地に広がる小さな田んぼだ。いわゆる棚田になっている。よい米がとれる場所というのは、陽当たりが良くて風がよく通り、粘土質で水はけのよい場所だという。つまり、海から離れた山の中の棚田がよい。こういう場所は、昼夜の温度差が大きく、もともと物成りが良い、と言われる場所なのだ。田んぼを覗くと、真っ黒でいかにも力強い粘土質の土だ。そこから地中深く根を張った茎が伸び、山田錦の重い穂をしっかりと支えている。今年は全国的に気温が高すぎて、米の作柄は必ずしも最高とは言えない、と聞いていたが、ここの稲はその心配はなさそうだ。見事な稲穂がたれていた。
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